電脳音楽塾プロジェクト『Growing』を終えて
最近入ったばかりのオンラインサロン、『電脳音楽塾』。
日本の音楽界を第一線で牽引し続けるINAさんの監修のもと、サロンメンバーによるCD制作プロジェクトが立ち上げられました。そのプロジェクト名は『Growing』。アーティスト達の“成長”を課題にこのタイトルが名付けられました。
ほとんどの楽曲がダウンロードで入手される昨今において、何故に今『CD』という媒体を作ろうとするのか。そこには、『CD』に詰まった“アート”の真髄を次世代にも伝えたいというINAさんの想いがあったのではないでしょうか。
90年代に栄華を極めたCDは、ジャケットや歌詞カードのデザインに始まり、収録された楽曲はもちろんのこと、その全曲の曲順やバランスなどがまるで一本の映画のストーリーを見ているような仕上がりになっていました。アーティスト達は、その細部に至るまで入念にアイデアを凝らして、受け取る側を楽しませてきたのです。
今回、ずっと “消費者側” であった私が “表現者” の立場に回り、自分のfeelingをメロディや歌詞にのせて表現するという機会を与えられたわけですが、ここで手にした学び、そして今後の自分の楽曲に対する課題をここに記しておこうと思います。興奮が冷め止まぬうちに。。
《楽曲に対する想い・コンセプト》
今回作った曲のタイトルは『Say Goodbye & Say Hello』
この曲は、INAさんが書き下ろされた著書
『君のいない世界 〜hideと過ごした2486日間の軌跡〜』
を読み終わった後に文字通り “降ってきた” 曲でした。メロディと歌詞の8割ほどがほぼ同時に、口ずさみながら出てきました。 、、とは言ってもきっかけはあって、hideさんの曲 『Good Bye』 という歌からインスピレーションをもらいました。
“ Say Good bye ただGood bye 変わること恐れずに Good bye”
“Please songs tell me true キミのメロディ どこにいても鳴り続けている もしどこか 一人迷っても 歌えたなら しなやかに歩き出せる”
私が常々公言していることですが、私が中学生の頃から聴き続けてきたX Japan、そしてそのギタリストでありソロでも活躍されていたhideさん。
私がhideさんと出会った時には、hideさんはもうこの世を去っていて、私は彼が残したアート、楽曲、そしてメディアでの発言など、それらを頼りに自分の中で思い描く『hideさん』という像を作り上げていくことしかできませんでした。
彼の遺した作品からは、時代を超越した奇抜さ、激しさ、優しさ、そしてロックに対する情熱が溢れていて『この人は一体どういう人だったのだろう?何を見て、何を感じていたのだろう?』という興味を抱き続けてきました。
少し自分の話をしますが、
九州、熊本の片田舎で生まれ育ち、敬虔なクリスチャンである母と、厳格な教師である父のもとで育った私は、おそらくたくさんの青少年が直面するであろういわゆる“思春期の憂鬱”にもれなく浸かっており、やり場のない陰鬱とした気持ちを内に秘めていました。そんな時期に出会ったXの音楽、そしてhideさんの音楽は、まるでその心の壁をぶち破って、射し込んでくる光のように見えたのです。
『この世に生を受け、一度きりしかない人生。Xのように、YOSHIKIのように、HIDEのように、ロックに生きてロックに死にたい!!』
いつしかこのような思想に染まりきっていく自分がいました。そして高校時代の友人とバンドを始めます。
当時、X の情報をメディアでキャッチし、全て鵜呑みにしていた私は、Xのド派手な出世街道を真似しようとしました。とにかく派手に、過激に、ショックロックなコンセプトで挑みたいと思いました。ステージでギターを壊したり、ぐちゃぐちゃなメイクしてみたり。
その情熱に嘘は全くなかったんですが、今振り返ると “ 音 ” に対して誠実に向き合えていなかったなと、思います。
バンドメンバーは、クールなリズムや気持ちいいフレーズといった、純粋に音楽と向き合い、楽しんでいたのに、私はひたすら派手に目立つこと、既成概念を壊すことばかりに夢中になっており、当然のようにバンドは空中分解してしまったのです。
今思えば、もっとこうしておけばとか、しなければとか、そんなこともたくさんありますが、当時はそれが自分の全力だったのだから、その思い出をそのまま自分の胸の中にしまっておこうと思います。
それから、いわゆる “ぽっかり胸に穴があいたような” 気持ちのまま、自分の内面世界を表現するという欲求も褪せていき、自分が青年期に聴いていた音楽に浸りながら、長い黄昏の時間を生きていくことになります。
時は流れて、なぜか私は今ニュージーランドに( ̄∀ ̄)
羊と、サーモンと戯れてのどかに過ごす日々。。
流れてくる音楽も陽気なカントリーロックか、ダンス系ミュージックばかり(^O^☆♪
結婚して、第一子も産まれて、幸せの絶頂にいるわたしは、思ってしまった!
『このままじゃ、産まれてきたこの子にロックってやつを教えてやれない!!』
まー、親がやってることみて『ロックやーん!!』 なんていう子供もいないとは思うが、(ボク、学者さんになる!とか言うに決まってる)
ただ、自分なりに、自分が愛してきた、感じてきた“ロック”を、もう一度体現していきたいっていう想いに駆られてきた。
そんな矢先に出会ったのが、このINAさん率いる『電脳音楽塾』
そしてINAさん。
私が長年自分の空想の中だけで思い描いてきたhideさんの、その楽曲一つ一つを、hideさんの眼の前で作っていたご本人と相見えることができるなんて!!
まるで自分の壊れていた時計の歯車が、また動き出したような感覚を覚えた。
初めてRocket Diveの曲を聴いた日、初めてそのPVを観た日、初めてTell meを聴いた日、それらの衝撃を、リアルに鮮明に思い出していた。
この電脳音楽塾に入り、『Growingプロジェクト』を通して自分が目の当たりにしたのは、憧れの存在だったINAさんに会えた、という喜びばかりではない。
『この音楽の世界には、自分の知らない技術や、知識が山ほどある』
という事実だ。
その技術面や音楽制作ソフトについての操作面における自分の今回の気づきは、次回別の記事に記そうと思うが、今回一番自分にとって大きな収穫は、
『自分が音楽について無知なことだらけ』
と気づけた点だと思う。そして、その答えの一つ一つを、試し、実体験してきた先生方がここにいるのだ!!
きっとINAさんはじめ先生方全てが、これからも終わりなき何かに向かって、探し、求める旅を続けていかれるのだろうけど、自分もその第一歩を新たに踏み出せたという実感が、今はただただ嬉しい。
“Please songs tell me true キミのメロディ どこにいても鳴り続けている
またいつか 一人迷っても 聞こえたなら 軽やかに歩き出せる”
hideさんの残した言葉と音葉の一つ一つが、私をこの新しい出会いに導いてくれたのだという感謝の気持ちを込めて、この歌を空に届けたいと思う。
まだまだ不器用でごめんね。もっともっと色々勉強して、色々練習して、もっと自分の中に鳴り響いてる音を、まっすぐにキミに届けにいくから、楽しみにしててね。
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